本当のワタシ

「あ、うん。この子は……あれ、名前聞いてなかった」


ずてっ


この場にいる全員が心の中でコケた。


「私は蒼木沙恵です」


「です。路地裏で不良に絡まれてるのを助けたんだけどね、家に帰りたくないっていうから」


「はぁ!?お前そんだけの理由で連れてきたのか!?」


「沙恵ちゃんすっごく面白いんだよ?」



いや私面白いこと言ったつもりはないんだけどね…?



「…はぁ。じゃあ沙恵をまずは3日だけ、姫にしてみよう」



3日?姫?



「あー!それいいね!」



ん?



「えっ、ちょ、何の話ですか」


「言ってなかったっけ?沙恵ちゃんには、俺たち、翔炎の姫になってもらいまーす」
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