本当のワタシ
初めて
「…おい伊月、沙恵を紹介しに行くぞ」
メガネの人、、、憂…さんが口を開いた。
「あ、そうだね。沙恵ちゃん、いい?」
「はい──」
──ブーッ ブーッ
返事をしようしたら、私のケータイのバイブが鳴った。
「あ、出ていいよ」
お兄さんに頷いて着信の相手を見ると、私の顔は青ざめていった。
「っ……!」
「…どうしたの?」
「お、お父さんから電話が…」
いつもなら電話がかかってくることは無いが、今は夜の9時だった。
こんな時間まで図書館は開いてないし、私がいつも家にいる時間だ。
「あぁ…」
「?出ればいいだろ」
お兄さん以外の人は頭の上にハテナを浮かべている。