本当のワタシ
『なんだ』
「…私は勉強したくありません。医者にもなりたくありません。それを押し付けてくるあなた達が嫌いです。私はあなた達の道具ではない。しばらく家には帰りません。学校にも行きません」
私はそれだけ言って電話を切った。
「……はっ…」
どうしよう。
両親はきっと怒っているだろう。
「悪いですね、私は」
そう言いながらも、顔はスッキリした表情だったのには自分でも気づいた。
“あの子”もこんな気持ちだったのかな…。
「プハッッ」
真緒が堪えていた笑いを出した途端、ほかの人にも伝染した。
「フフッ」
「とりあえず、沙恵ちゃんはこれから倉庫で寝泊まりしようか」
あぁ、、、何も考えずに家に帰らないって言ってしまったから…。
「すいません…。お世話になります…」