本当のワタシ

私の顔から血の気がサァーッと引くのがわかった。


やばい。

もし制服や顔に傷をつけられたら親になんて言えばいいの…。



「あれ、何も言わないってことはOK?」


「……(コクン」


私は静かに頷いた。


「うっひょー♡」


なーんてねっ



男の手が緩んだ隙に身体を押して走り出した。



「っ…!待てっっ!!」



男は私を追ってくるが、ここは欲しい路地のため、男の体では走りにくい。


しかも私はよくここで暇つぶししてるから道はしっかり記憶されている。



あそこの曲がり角を曲がれば大通りね。



──ドンッ


「わっ」



誰かにぶつかり倒れそうになった。



「ちょっ、大丈夫……?」


「っっ!すいませんっ!」



後ろを見るとまだ私を追っている姿が見えたので、すぐに謝ってまた走り出そうとした。



「あっ待って!」


だが、ぶつかった人は私の腕を掴んで止めた。



その間に4人の男に追いつかれてしまった。



「おいおい、逃げるって酷いんじゃない?」


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