本当のワタシ
「さ、そこのお兄さん。その女の子譲ってくんね?」
私の腕を未だに掴んでいる男に言った。
「えー、やだ☆」
お兄さんは私を後に隠しながら言った。
優しい人だったのね。
「あ゛ぁ?…てめー俺が誰だがわかってんのか?」
「さぁ?う〇こ?」
「フッ…俺は鬼龍の幹部だぞ?」
鬼龍、か。ここら辺にいるとよく耳にする。
あんまりいいことはしていない族。
「へぇ。あの雑魚か」
「っ…てめー舐めんじゃねぇよっ!!!」
男は叫びながらお兄さんに殴りかかった。
そしてそれにあとの3人の男も続く。
しかし、お兄さんは男の拳をしっかりと受け止めると、そのまま顔面を殴った。