本当のワタシ


「入るよ」


お兄さんは少し緊張したような面持ちで、振り返って言った。


「はい…」


──ガチャ


「…あっ!伊月!!遅い……よ………!?」



お兄さんに続いて私も入ると、話していた男の子が驚いたような顔をして私を見た。


「え、伊月!?その子誰!?」


「おい伊月……」


「ここに女を連れてくるってことは…わかってるのか?」



中にいた他の3人も驚いたようだ。

ん…?そのうちの一人、見たことあるような…。



「あぁ、もちろん分かってるよ」



そういえば、このお兄さん伊月って名前なんだ。



「…はぁ…。で、伊月、その子のことちゃんと説明して?」


可愛らしい男の子が私のことを指さししながらいった。


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