メガネの奥の美人さん

その打ち上げから、なんとなく…
ギクシャクしながらも。

今までとは、違う意識の仕方をしてしまって。

見方が変わると、こんなにも違う人に
見えるもんかなと、我ながら呆れるくらい。

口数が少ないのは、ベラベラしゃべる男より
いいとか、あんまり笑わないのに、時々笑う
ツボがあたしと一緒とか、食は細いけど、
案外お酒は好きらしいとか…

全てがプラスに見えてくる。

これは、まずいかも…。

どんどん知りたくなっていくのを、
止められない。

一緒に仕事をしてても、楽しくて
しょうがない。


なんだか、最近、原さん機嫌いいですね。

なんと、超本人に、つっこまれるという。
痛恨のミス。


そ、そう?ほら、昨日一緒に出した企画。
通りそうだからさ。

と、苦し紛れの言い訳だったのに。


じゃあ、前祝いします?
と、ずるい顔で、言った。

え?あ、ああ。いいね。
他の子達にも声かけてみる?
と、言ったあたしに。

いえ。それは、本決まりになってからで
いいんじゃないですか?
じゃ、そういうことで。


え?ちょっと、と呼び止めるあたしを
無視して、行ってしまった…。

2人でってこと…だよね。
どういうつもりなんだろ…。


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