メガネの奥の美人さん

その後、仕事してる間にメールが来て。

今日は、昨日でひと段落ついてますから
早く帰れますよね?
店予約しときました。
と、時間と場所が書いてあった。

はやっ。
先輩としてだけど…2人かあ。
なんか、ドキドキするな。

了解です。と、返信して。

夕方、打ち合わせが終わって戻ってくると
後輩君は、もう出たようだった。


慌てて店に向かい、案内された席に向かうと
もうすでに、後輩君がメニューを見ていた。

遅くなって、ごめんね。と座ると、
いつもより柔らかい表情で、

そんな待ってないですから、大丈夫ですよ。
と言った。

ワインの種類がたくさんあるお店らしく、
女性客も多い。雰囲気のいいお店だった。

よく来るの?と、聞くと、
ちょっとビクっとして、
初めてです…。と、照れた顔をした。

ん?何故照れたんだろと、思いながら
あたし、ワイン好きだから嬉しいわー。
と言うと。


知ってますけど?だから、ここにしたんです。

え?あ、あたし言ったっけ。

あ…いえ。
こないだの打ち上げで、話してたのを
聞いたので。


打ち上げと、言われて思い出してしまった。

あのキス未遂と、美人さん…。

赤くなるあたしに、

もう酔ってるんですか?なんて。

まだ、飲んでないでしょー!?と、
突っ込むと、

ですよね。と、
意外にも、クスクス笑う。

なんか…遊ばれてる気がする…。

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