メガネの奥の美人さん
急にミカコさん呼びは、ずるい。
自覚が無いと言われて、反論したいけど
またドキドキが始まって、言い返せない。
先輩は先輩だけど、年的には一個しか
違わないですから。それに、
俺には、危なっかしい人に見えますよ。
そ、それはひどくない?
見つめられて、余計ドキドキする…。
そうですか?
おかげで俺は…
目が離せなくなってるんですけどね。
え?
気になってしょうがないのは…
俺だけですか?
ずっと見つめられて、こんな展開。
心臓が、聞こえそうなくらい打ってる…。
俺も原さんも、だいぶ飲んでますし。
そのせいにして、忘れてもらってもいいです。
口調が、かたくなっていた。
え…。
返事ができないでいたから…困ってると
思った?
慌てて、あたしも!と、腕をつかんでいた。
すると、つかんだあたしの手を、ぎゅっと
握って….
最初から、そう言えばいいんです。
と、ぐいっと引き寄せ、抱きしめた。
驚いて見上げると、自信たっぷりな笑顔。
生意気…。
そんな憎まれ口をきいても、全然腕を
ゆるめる気配が無い。
手を出さないポリシーは、どこ行ったのよ…。