君の隣で笑いたいーー

華に群がる獣達ーー

ザワザワ。


ざわめく男子達の群れがやたら見る。



その視線の先を目で追えば、愛心。


そして、ゆゆちゃんだ。


忘れてた衣装!?


今チアガール衣装のままだった。


「やべーっ、めちゃくちゃ可愛い‼


チアガールやばい‼明日の為の衣装っしょ。


断然やる気が出てきた‼」



敵にやる気を出させてどうする!?


だけどもう後戻りできない。


獣の群れは、散ることを知らない。



「きゃっ」


誰かが愛心の腕を掴んだ。


咄嗟に鋭くなる視線。



その男に、食らわせるパンチ。



離れた腕が、勢いよく愛心の体を突き放す。


「きゃっ」



賑やかな廊下は、獣達の群れで一杯だ。



愛心の体が傾く瞬間ーー



グイッ



誰かが愛心の体を支えたのが見えた。



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