君の隣で笑いたいーー
「ごめん、愛心。


俺は、傷ついても愛心を渡したくない。

絶対勝つって約束した。

だけど、お前が泣く方が俺辛い。


ごめん、守れなくてーーーっ」



傷だらけの俺は、泣いてる君を抱き締めた。


諦めたくない気持ちはある。


だけど、また君がケンカの最中に飛び出して来られる方が、何倍もいたい。


「真中。


愛心に、なんかしたら分かってるだろうな?」

「はいはい、分かってるよ」


聞いてんのか、こいつ。


俺は、秋を見た。

俺同様、ボロボロなのにフラフラで立ってる。


応援席にいる筈のゆゆちゃんがいない。


まさかーーー。



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