朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「……咲桜ちゃん、俺らが言うのも難だけど、俺らの中で今も解決してないの、りゅうだけなんだよ。だから、こう言うのも変かもしんないけど――りゅうと一緒にいるんだったら、りゅうを支えられる人じゃないと駄目なんだ。すきだから護ってもいたい、なんて思いだけだったら……りゅうは重い」
「あ、雲居、その点は大丈夫だ」
ふと、先輩が声を飛ばして来た。
「咲桜、十分に神宮のこと護ってるよ。もしかしたらお前らよりも」
……先日の頼の件を知っている先輩はにはっきりそう言った。
……あのとき私は、護れていたのかな?
「そーなん?」
「そうだよ。俺は、神宮の女に咲桜は値すると思う」