朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「珍しーな。お前がそんな肯定的なこと言うなんて」
「てかもー神宮がマジ惚れ過ぎてて文句つけようがねーんだよ。咲桜ってそこいらの野郎よりカッコいいし」
「へー。……咲桜ちゃん、言ってもいい?」
「はい?」
少し思考に沈みかけていた私の意識が現実に戻る。
吹雪さんと降渡さんは真剣な顔だった。
「りゅうをよろしく」
「頓珍漢で面倒だろうけど、見捨てないでやってね」
「も、勿論ですっ」
見捨てるなんてありえない。
……また一つ、流夜くんの傍をゆるされた心地になる。
そして、申し訳ないけど頓珍漢は否定できなかった……。
「ねえ笑満ちゃん、学校でのりゅうってどんな感じなの?」