朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「どうせ明日からまた、私たちの方にも巻き込んじゃうからさ。笑満も頼も。だから今日は遙音先輩のことだけ考えててよ。じゃないと私が遙音先輩に妬かれちゃうから」
『そんなこと――』
「あるの。だから、どうしても二人の友達やめる気だけはないから、今日は遙音先輩のことだけ考えてみてよ」
『……うん』
「うん。ちなみに、何か進展あったら絶対話してよ? 私、自分のこと開けっ広げに話し過ぎたって後悔してんだから……」
自分の感情に疎かったとはいえ、笑満には本当に、隠してあることが一つもない気がする。
龍生さんのところだって連れて行ってしまったし。
『う……わかった』
「話さなかったら遙音先輩に聞いて笑満のこといじめるから」
『は、話します! 咲桜には全部話すから! くそー、咲桜なんか変な方向に強くなったよね』