朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「………」
ふと、笑満が言った。
『咲桜も妄想してみてね?』
「は?」
何を? てか妄想って言い切ったね。
『何って、あたしが遙音くんにあげるんだったら咲桜は流夜くんにあげるんでしょ?』
「そうなの⁉」
『違うの?』
「か、考えてなかった……っ」
『……流夜くん可哀想』
「か、考える! 今から考える!」
目を閉じてイメージする。
自分が作ったお菓子を流夜くんに渡したら――
『どう? さ
「流夜くん死なないでー!」
『……また爆発したんだ……』
何かをわかりきった様子の笑満だった。
私は半泣きだった。