朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


『夜々さんを嫁ぎ先に連れて行けるわけないでしょ』


「……ごもっともです」
 

諌(いさ)められた。


『じゃあリハビリで一緒に作ろ! 作りやすいの考えとくから!』


「……お願い致します」


『代わりに遙音くんのすきなお弁当の作り方教えてね』


「かしこまりました」
 

口調が主従関係になっていた。


……いいんだけどさ。


『爆発させたときの味見の実験台は頼にやってもらうとして――』


「………」
 

そして笑満の中での頼の扱いが非道い。


『とりあえず、あたしが言う通りにやってたら爆発しないから、安心しなさい』


「……はい」


『咲桜んとこ、まだ流夜くんいるの?』


「うん。父さんと話してる」

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