朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
『じゃあ――咲桜がよかったら、流夜くんにも言っておいても大丈夫だから。遙音くんの方で心配かけたみたいだし』
「了解です。じゃあまた明日ね」
『うんっ。咲桜パパ怒らせないようにすんだよー』
「笑満こそ。……おめでとう」
『……ありがとう』
通話を終えて、また嬉しくなってくる。
笑満と遙音先輩が付き合う――。
ぎゅーっと顔が熱っぽくなった。
「ぎゃーっ! 素敵すぎる!」
何度も繰り返した言葉だけど、勢いそのままに部屋を飛び出した。
ちょうど階段下に流夜がいたので、飛びついて報告する。
流夜くんは驚いていたけど、嬉しそうに微笑んだ。
――公園で初めて逢って、その手を引いた親友。
どうか、永(なが)の幸せを。