朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「そうだよ。うちって、二人以上の生徒と顧問を受けてくれる教師がいれば、結構簡単に部活作れるから。俺らのクラス、神宮先生の担当教科あるから全く関わりないわけじゃないし、今はどこの顧問もしてないから、暇そうな先生に頼みましたーつったら怪しまれることもないだろ」
「………」
「……頼、すごいね」
笑満から感嘆の声がもれた。
私は驚きが過ぎて声が出なかった。
それって、私と流夜くんが学校で逢っていても何かを疑われない理由作り?
「頼――なんでそんなこと……」
してくれるの? 最後まで唇が動く前に、頼は「んー」と唸った。
「なんつーか、詫び?」
「……わび?」