朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
2 それでも望むのか?

side流夜



……在義さんから直々に話があると言われ、今日は咲桜だけ送り出していた。


咲桜に知られたら心配して一緒にいるだろうと思い、呼び出しとは黙ってある。


ことが終わってから報告すればいいだろう、と。
 

今日の行き先が龍さんのところで、吹雪や降渡、遙音も同席するというから過多な心配はしていない。


……けれど、出来たらせっかくの休日、一緒にいたかった。


「……咲桜と付き合うそうだね」


「はい」
 

真っ直ぐに視線を投げられ、肯いた。
 

――在義さんにとんでも発言をかまされてから三日。


さすがにここに住めというのは無理があるというか色んな危険があるので、夕飯をいただきに華取の家を訪れる――程度に留めている。

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