朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「はじめまして。雲居降渡です」


「あっ、松生笑満です。遙音くんの友達です」


「遙音の、ねー」
 

にやにやと降渡さんが見てくるからか、先輩はふいっと顔を背けてカウンターに戻った。


「あの、雲居さんも遙音くんのために動いてくださった方ですよね。ありがとうございます」
 

先輩の過去をつい最近知った笑満は、流夜くんだけでなく吹雪さんや降渡さん、龍生さんにもお礼を言っておきたいと言っていた。


降渡さんはにっこり人懐っこそうな笑みを見せる。


「降渡でいーよ。笑満ちゃ


「だから馴れ馴れしーんだよ、お前は」
 

ゴンッ
 

今度はお盆で頭を叩かれた。先輩に。


……さすがに痛かったようだ。


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