朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
side頼
「……賑やかな奴らだな」
「だから楽しいんですよ。俺も早くあそこに混ざりたいんで、なに? ほんとに俺殴られんの? じゃー一発どうぞ」
「殴る気はない。お前に訊きたいことがあるんだよ」
「なんすか。咲桜が泣かして来たヤツらですか? つってもここには小学中学の馴染みは俺と笑満しかいませんよ?」
「そんなことじゃない。咲桜と――松生がどういう風に知り合ったのか、日義は知っているのか?」
「え? ああ、まあ。その前は俺しか咲桜のダチじゃなかったっすからね」
「じゃあその――咲桜が松生の手を引いたって、どういう意味なんだ? 遙音がぼかして教えてくれなかったんだが」
「手? ……ああ、公園のですか。つか、そんなの咲桜に直接訊けばいいじゃないですか。わざわざ俺に言わなくても」