朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「……承知している」
 

先生は重く肯いた。


肯定、か……。


「……じゃー。明日っから顧問お願いしまーす」
 

間延びした声を残して教室を出た。


そのまま階下へ向かうと、ホールに三人がいた。


あ、帰ってなかったんだ。


「頼! 怪我はしてない⁉」
 

開口一番、咲桜が泡喰って飛びついて来た。


「怪我? ないけど」
 

咲桜の心配のしどころが、今は俺だけではないことはちょっとさびしーね。
 

……けど、囚われてもしょーもない。
 

頭を刹那で切り替える。

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