朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「―――――え?」
驚きに開いた瞳には、少し焦った様子の宮寺先生が映る。
「あ、もし本当に警察の華取さんだったら、お父さんの職業は学内でも隠してるのかなって思って連れて来ちゃったんだけど……あれ、違ってた?」
「い――いえ、華取在義は父です」
「県警の?」
「は、はい」
「そっかー。よかった、あたってて。本当に華取さんの娘さんだったら、どうしてもお礼が言いたくて。や、お礼なんかじゃ済まないくらいたくさん助けていただいたんだけどね?」
「父を――在義父さんを、知ってるんですか?」
「うん。学生の頃とか、華取さんの警察って仕事以外でも色々お世話になったんだよ。今の遺伝子学に進んだのも、華取さんの影響あるんだ」
ふわっと、宮寺先生は微笑んだ。