朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「気を付けて帰ってね。あと二回はここに来るから、その間はよろしく」


「はい。先生も」
 

宮寺先生は最後まで笑顔で、手を振って見送ってくれた。


この人も、教師になっていたらいい先生だったろうな、と思いながら昇降口に向かう。


途中、癖でスマホを確認する。


在義父さんの仕事柄急な用事は多いから、着信にすぐに気づけない校内ではこまめにチェックしていた。
 

あれ、笑満かな?
 

慌てて開くと、笑満からメッセージが入っていた。


『宮寺先生に呼ばれたこと、遙音くんと一緒に流夜くんに伝えておいたから
 危ないことなかった?
 終わったら返事ちょうだいね?』


「………」


ソッコー流夜くんに筒抜けだった! 


いや、知らせないで心配かけさせてしまうより……いい、のか?


「と、取りあえず電話しなきゃ」

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