朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「あいつが今藤城に出入りしてんのは知ってんだろ? 何でわざわざお前を介してくる」
「んー、学校のお前が偽モンだと思ってるとか?」
「………」
「そんな蔑んだ瞳、しないで」
少し悲しいよ。降渡ははらりと手を振った。
「わーってるよ。わざわざ俺を介してお前に接触した、証拠がほしいんだろ」
神宮流夜と会った、っていう証拠を、雲居降渡を通して残しておきたかった。
「……別に死ぬわけじゃあるまいし」
「死ぬ覚悟で俺んとこ来たんだろ」
「どんな特攻精神だよ」
「だってあいつはお前と関わるべき人間じゃねーもん。それこそ、咲桜ちゃん以上にお前への必然性がねえ」
「―――」
そうやって。
選択排他されるのだ。
人間の関係性。