朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「神宮さん、といいましたか。在義が認めただけはありますね」
「………」
相手の方って――そういう意味⁉
「えっ、あっ、はいっ! とっても素敵な方ですっ」
勢い余って前のめりになって宣言した。
箏子師匠は目を細める。
「在義の知り合いならば、職業面ではいささか心配がありますが……」
「それはばっちしおっけいです! 流夜くん強いし無敵だし!」
「……お前、少し性格変わりましたね」
「流夜くんのおかげですっ」
呆れたような箏子師匠に、胸を張って宣言する。
――胸を張って宣言でもしていないと、箏子師匠に負けそうになるから。
「それはよいですが――お前は少し自分の立場を弁えなさいよ」