朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


驚く友達に問われ、仕方なく肯いた。


ここまで話しておいて知り合いじゃありませんは通用しないだろう。


「あー、まあ。昔、面識ある」


「えーっ、すげーな。宮寺先生って遙音の前の藤城主席だろ?」


「らしーな」
 

投げやりに答える。


「あ、今は夏島なんだ」
 

宮寺は感心した風に言った。


『藤城主席』と言うのは号のようなものだ。


勿論学年主席の意味も含むけど、内外にもその存在が示される場合に、『藤城主席』の名を冠することがある。


なので、毎年毎学年、その呼び方をされることはない。


俺は一応、宮寺以来の『藤城主席』らしい。


ちなみにその後を継ぐかと言われているのが頼だったりするので、色々複雑。

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