朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「んな話どうでもいいから。宮寺もほいほい生徒に声かけてんじゃねえよ」
「講義しに来ててそれはないだろ」
「………」
確かに。
返答に窮している間に、みんなが身を乗り出してきた。
「宮寺先生、遙音とどんな知り合いなんですか?」
「遙音って医学方面じゃないよな?」
「宮寺先生に質問あんですけど今いいですか?」
「宮寺先生とオトって仲良しなんですか?」
『⁉』
気づくとそこには何故か頼も混ざっていた。
「ちわっす、先輩方」
軽く手を挙げて挨拶する。
みんなはさっと蒼ざめた。
い、いつも遙音を訪ねて来ては二年生を戦々恐々とさせていく後輩……!
そんな困惑が顔に見て取れる。
「あれ? 君だけ一年生?」
「はい。オトのおっかけです」
『………⁉』