朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
なに言ってんだこいつ⁉ 普段から何言ってんだこいつなことしかしないけど、本気で何言ってんだ⁉
先輩たち、蒼ざめるどころか血の気が引いていってるよ……。
「……夏島って男にモテるの?」
「んなわけあるかあっ! 頼もテキトーなこと言ってんじゃねえよ!」
宮寺に胡乱な瞳で見られて、俺は爆発した。
「宮寺――琉奏先生」
「はい?」
頼は不躾にじろじろ宮寺を見る。身長差、宮寺のが上。
「天才っていると思います?」
「いるよ。ってかここにもいんじゃ――」
「ああああ! 悪い手が滑ったー!」
ゴガンッ! 鈍い音で俺の教科書がぶっ飛んだ。あらぬ方向に。
「は、遙音……?」