朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「―――」
 

級友の一人に訊かれた。
 

……そうでした。この学校は並々ならない頭脳、思考をする奴が多いのでした。
 

その筆頭たる頼が変人度ぶち抜いているから、一般レベルの頭の良さの基準が狂っていた。


くっそ、こういうとき勘がいい、頭の回転が速いのは厄介だ。


「神宮先生じゃなくて神宮球場だよ。野球の席で知り合った豪放磊落な方が二宮さんってんだ」


「……遙音野球すきだっけ?」


「たまにすきになんだよ」
 

怒っているような口調で言い放った。
 

俺の言動にツッコミどころが多すぎて、そうか、触れてはいけないんだな……そんな風に遠い目で悟った友人たちだった。すまねえ。


「じゃあな。宮寺、学内で俺に近寄るなよ。めんどくせえ」

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