朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「でもお前、生徒を手にかけるなよ」


「俺が殺したみたいな言い方すんな」


「似たようなもんだろ。――ごめん華取さん、取りあえずすぐには理解出来ない」
 

頭が混乱してます、と片手で頭を抱えながら言われた。


うう、そうですよね……。


「でも――これは決して神宮のためじゃなくて、後輩にもあたる華取さんのために、誰かに告げ口したりしないことは約束します」


「いいんですか⁉」


「いいんですか、て……まさか神宮に脅されてるとかあるんですか? ばらされて関係解消したかったとか……」


「おい」


「そんなんありません! 私が流夜くんをすきなんです!」


「……そうですか」


「はい!」
 

握り拳で答えると、宮寺先生は複雑そうに瞳を泳がせた。


「何か変わったと思ったら、そんな子がいたのか……」

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