朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「遙音―」
「笑満ちゃんに変な奴近づけるわけねーだろ」
降渡さんが頭をさすりながら睨むと、先輩に軽蔑の眼差しを向けられている。
……ここはここでどういう関係なんだろう。
先輩は基本、流夜くんたち三人全部がからかい対象なんだろうか?
ふと、降渡さんが私を見た。
「そういや咲桜ちゃん、ここへ来ること、りゅうには?」
「言ってありますよ。在義父さんにも」
「何か言われなかった?」
「あー……まあ、言われたことはあるんですけど……」
「なんて?」
「んー、ここで言うのはちょっと」
「誰にも言わないからさ」
「そういう意味ではなくてですね」