朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「……夜々子先生、神宮、今でもあんなんなんですか?」
「んー、大分穏やかに先生やってるわよ? 学校でああいう風に喋ってるのは初めて見たかな」
「……へー」
宮寺先生は興味をそそられたように肯き、「じゃあ、また構ってくださいね」と言って保健室を出た。
「……聞いちゃった?」
夜々さんが窓のへりに腕をついて覗き込んできた。
「惚れ直しました」
「……どこに?」
私が素直に答えると、夜々さんは笑顔で首を傾げた。
「びっくりしました。神宮先生もあんな風に話すんですね」
笑満が言うと、夜々さんは困ったような顔になった。