朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「んー、咲桜ちゃんが知らないみたいだから言ってなかったんだけど、高校生の神宮さんってあんな感じだったのよ。

何事にも冷たくて、怖い感じ。常に周りを威嚇しているような、ね。

怜悧(れいり)な美貌、感情表現に乏しい眼差し、他人の興味のない喋り方。……うちでもそんな風に言われてたわ」


「夜々さん、高校生の頃知ってるんですか⁉」
 

初耳だ。


在義父さんの言いつけだから流夜くんのプライベートを明かさない、とは明言していたけどそれ以前からの知り合いだったの?
 

私の動揺を見て取ったのか、夜々さんは苦笑した。


「こっちが一方的に知ってただけよ。あの三人――雲居くんと春芽くんと、すごい有名だったし。私は在義兄さんを通しても知ってたからね」


「ど、どんなでしたか?」

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