朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「咲桜。咲桜から言わなくても、神宮の考えなんてこいつらには筒抜けだから隠す意味ねーよ」
先輩が投げやりに言う。
「……そうなんですか?」
私の返事に応えたのは吹雪さんだった。
「大体はね。で?」
「……吹雪さんとあまり仲良くなるなって」
「ぶはっ! りゅうがふゆに妬いてるー!」
バシバシ椅子を叩いて笑う降渡さん。吹雪さんもくすくす笑ってるし。
先輩も吹き出したのが隠し切れず、しゃがみこんでしまった。
……こういう反応がわかっているから言いにくかったんだ。
流夜くんのからかいネタが増えてしまった……。
「流夜くんってほんとべた惚れ込んでるよね」
唯一、笑満だけが真面目に反応してくれた。