朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「咲桜。咲桜から言わなくても、神宮の考えなんてこいつらには筒抜けだから隠す意味ねーよ」
 

先輩が投げやりに言う。


「……そうなんですか?」
 

私の返事に応えたのは吹雪さんだった。


「大体はね。で?」


「……吹雪さんとあまり仲良くなるなって」


「ぶはっ! りゅうがふゆに妬いてるー!」
 

バシバシ椅子を叩いて笑う降渡さん。吹雪さんもくすくす笑ってるし。


先輩も吹き出したのが隠し切れず、しゃがみこんでしまった。


……こういう反応がわかっているから言いにくかったんだ。


流夜くんのからかいネタが増えてしまった……。


「流夜くんってほんとべた惚れ込んでるよね」
 

唯一、笑満だけが真面目に反応してくれた。

< 4 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop