朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「オト、あれ知ってんだろ? 宮寺って奴」
「……お前も気づいたのか」
なんでこいつ、いつも寝こけているのに聡いんだろう。
「先生が筆箱ぶん投げて怪我を偽って保健室に連行したから」
「………」
額を押さえた。既にあいつら接触していたか……。
つか神宮、どんな暴挙だよそれ。普通に怪我するって。
「直接あっちに訊きに行くのまずいかなーと思ってオトの方に来たんだけど」
「うん……まあそれで正解だ」
出来るだけ、咲桜やその周囲の人間は今、神宮に近づかない方がいいだろう。