朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「んー、そういう意味でもないみたい。なんかね、私が吹雪さんに似てるから仲良くなると面倒だって言われた」
「彼女相手に面倒扱いかよ」
復活した先輩から冷たい一言。
「俺はわからないでもないけどなー」
降渡さんが椅子につきながら言うと、吹雪さんはカウンターに頬杖をついた。
「咲桜ちゃんが僕に似てたら面倒だよ。間違いなくね」
「そりゃ、お前が一等面倒人間だからな」
降渡さんが言うと、吹雪さんがにっこり微笑んだ。人を射殺す微笑だった。
私の隣で笑満が息を呑む気配があった。これが春芽吹雪か……! と。
私は、まだまだこんなもんじゃない、という意味で笑満に苦笑して見せた。