朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「………」


「ストーカーじゃねえよ。百十番押すな。鑑定資料持ってくんだよ」


「………」
 

電話を持つ手をおろした。
 

これでもこいつ、大学で遺伝子学の研究をしているヤツだ。


警察が司法解剖、検死などで意見を依頼する高名な大学でもあるので、宮寺も警察とは少し縁がある。


俺たちほどガッツリ足を突っ込んではいないが。


「そーいうわけだから。お前、学校じゃかなり仮面かぶってるみたいだな」
 

宮司はからかいネタを見つけたといわんばかりに愉快そうな顔をする。


「俺がお前の本性ばらしたら、色々オマケまでばれちゃうよな」


「………」
 

警察に関わっていることや、神宮家の事件。


……さすがに前者は、今は知られてもいいとは言い切れない。

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