朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「降渡さん、笑満のこと知ってたんですか?」
一応訊いてみる。先ほど先輩が、『知ってること訊くな』と言っていたから。
「知らねーわけねーよ。神宮の女の親友なんて。雲居も春芽も気になる存在過ぎるから」
先輩がカウンターの中から答えてくれた。
……のはいいけど、『神宮の女』て……。
言い方。
顔が熱い。またドクドクしそうじゃないか。
「遙音ばらすなよー」
降渡さんがつまらなそうな声を出す。
「俺は笑満ちゃんには隠し事しない主義なんで。笑満ちゃん、雲居不良探偵なんだけど、腕はあるから。警戒はしなくていいけど、要注意人物の一人だから」