朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


先日、頼が遙音先輩のクラスに乗り込んで追いかけ回してキレた先輩が流夜くんのところへ怒鳴り込んでくる事件があった。


あの折、流夜くんから頼に、先輩を追いかけ回さないように言うと言っていたのだけど……。


「あー、咲桜」
 

ちょいちょいと笑満に手招かれた。


「頼と遙音くん、普通に友達みたいになってるの」
 

友達?


「そうなの? 大丈夫?」


「だいじょーぶ。もう写真撮らせろとか言ってないから」


「それで代わりに笑満がからかい対象にされていると」


「……そうなんだよ………」
 

笑満がうなだれた。またややこしいことに……。


ふと、笑満がかすかに顔をあげて訊いて来た。


「……あのさ、本当に流夜くんと逢えなくなっちゃったの? 宮寺先生来るのって金曜日だけでしょう?」

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