朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「わかったー」
笑満が応じると、降渡さんが軽く目をみはった。
「えらく素直に受けるんだね」
「遙音くんはあたしに嘘は言わないから、信じますよ、ずっと」
「付き合ってんの?」
「えっ……」
笑満、顔真っ赤。
先輩は苦い顔になってしまった。
先輩がどう思っているかは知らなけど、笑満の決意を聞いている私は焦った。
こんなところで二人の関係をこじらせるわけにはいかない。
「付き合ってると言えば、私、流夜くんと正式に付き合うことになりましたから」
無理矢理自分の方へ話を持って行った。
ちらりと見てくる笑満は申し訳なさそうな顔だ。
私は気にしないで、というように微笑んだ。