朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「うん。遙音くん、咲桜のご飯すきみたいだから……今度はあたしが作って来たいなって……」
「………」
可愛い!
「勿論!」
がっと笑満の手を取って大きく肯いた。
こんな可愛い笑満の頼みごとを断るわけがない。ましてや理由が最高だ。
「……だから笑満の彼氏って言われんだよ……」
頼がなんか言ってたけど気にすることもないだろう。
先輩が来てくれてよかった。笑満が嬉しそうだし、流夜くんへのお弁当も届けてくれるし。
気が付きすぎるな、あの先輩は。
笑満に美味しいご飯をつくってもらう、という形で恩返ししよう。
同じ味のものだって、先輩は笑満が作った方が嬉しいと思うから。