朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「そういうわけだ。そろそろ親離れしろ」
「お前らは親代わりだけど親じゃない」
「……そうだが」
「つか、本物の親以上に慕ってるよ」
「……そう言われると返す言葉がないな……」
「じゃあ返さなくていい」
遙音が、軽く机に腰かけた。
「お前って身内に甘いんだよな」
「……どうした、急に」
「いや。宮寺のカンチガイだって、お前があいつら護ろうとしたから生じたことだろ。上手く対処出来なかったのはあの頃の過失だけどさ」
「……勘違いで済んでくれるならいいんだけどな……」
「済ませろよ。あれじゃね? もう諏訪山が雲居と結婚すればいんじゃね?」