朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「素直って……どの方向に?」
「邪魔しないって方向に。それ以外は気にしなくていいよ」
「……いいの?」
「今はね。今ちょっと咲桜んとこ問題発生だから、頼のこと考えるのは後々でもいいよ。……頼は咲桜の友達やめないから」
「……うん?」
笑満は何を知っているんだろう。
明らかに私よりも、頼に何があったか知っているようだ。
そのままなんとなく教室へ向けて歩き出した。
「笑満、遙音先輩と帰るんでしょ? 私先に出る――」
「―――――」
ボッと笑満の顔が緋色に染まった。