朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


ポケットから手のひらに収まる四角いものを取り出した。


「? 何それ。機械?」
 

笑満が眉根を寄せる。


「ボイスレコーダー。相手の同意なしに録音されたものは法的能力ないって言うけど、まあ法廷に関わらなければ証拠扱い出来るじゃん? 遙音先輩に嫌なこと言われたらこれ動かして言質(げんち)とっとけ」


「何考えてんの⁉ 遙音くん脅す気⁉」


「やだなー。護身用具の一つだよー」


「誤審用具の間違いでしょそれ! あーもうそんな危ないもの持って! 誰の入れ知恵? 在義パパ? もしかして流夜くん?」


「え、自発的にだけど」


「心ゆくまで在義パパの娘だよね咲桜は!」
 

怒られた。いや、褒められた?

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