Black Romeo and Juliet
「ねぇ……あなたの名前は?」



「ロイ。拾った剣士がつけた」



「ロイ……」



名前を呼ばれた彼は、そっとわたしを引き寄せた。



彼の匂いも、体温も……体一杯に受け入れる。



瞬間、



「っ!?」



鳩尾に鈍い痛みが走った。



息が上手く出来ない……。



涙目で咳き込むわたしを、



ベッドから立ち上がったロイが見下ろしてる。




「……傷モンになっちまったけど、若い女は高く売れるからな」



「ロ……イ?」




「じゃあな……ジュラ」



薄れ行く意識の中で……、



最後に見えたのは、



美しく笑うロイだった……。
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