処刑バッヂ
「あれ……? 俺、なにしてんだ?」


次の瞬間そう呟いていたのは晴康だった。


晴康は瞬きを繰り返し、目の前の光景を理解しようと辺りを見回している。


「暗示が解けたんだ」


涼希が呟いた。


「晴康! 助けてくれよ!」


和馬の悲鳴に晴康がハッとしたように視線を向ける。


「和馬……? なんでお前、こんな……」


混乱しながらも和馬の拘束を解こうとする晴康。


その光景にあたしはホッと胸をなで下ろした。


やっぱり、暗示が解けてしまえば仲間は仲間だ。


処刑するなんてありえない。


そう思った時だった。
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