処刑バッヂ

「これってもしかしてチャンスなんじゃねぇかなって思ってさ」


晴康がおかしそうに笑いながらそう答えた。


「チャンス……？」


涼希が眉間にシワを寄せている。


「あぁ……。普段から嫌いだったんだよ、こいつのこと」


晴康はそう言い、椅子に固定されたままの和馬を指さしたのだ。


「なに言ってるの……？　こんな状況じゃ笑えないんだけど……」


必死に笑顔を浮かべてそう言った。


こんなのただの軽口だ。


友達同士でよくあるやつだ。


自分自身にそう言い聞かせて見ても、嫌な予感は胸を渦巻き始めていた。