処刑バッヂ
「1年前、こいつは俺の好きな女と付き合いやがったんだ」


晴康がそう言うと、和馬は視線をそらした。


「え……?」


涼希が目を丸くして2人を見つめる。


そんな話、聞いたことがなかった。


和馬に彼女ができた話だって聞いたことがない。


「それだけならまだいい。でもこいつは、その子を弄んで捨てたんだ!」


「なにそれ……」


あたしは思わずそう口走っていた。


和馬が女の子を弄んで捨てた?


そんなの、あたしが知っている和馬じゃなかった。


和馬は明るくて女子にも人気で、だけど人を傷つけるような人じゃない。
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