処刑バッヂ
「とりあえず中に入ってみようか。どうやったのか知らないけど校門も開いてたしさ」


涼希がそう言って靴を履き替えはじめた。


「夜の学校ってドキドキするね」


あたしは靴を履き替えながらそう言った。


時刻はまだ早いけれど、校内からはなんの物音も聞こえてこないし、人の気配も感じられない。


学校自体が休みに入っているから、常勤の先生もいないようだ。


「これって不法侵入になるのかな?」


梨央が不安そうな声でそう言った。


「大丈夫だろ、ここの生徒なんだし」


涼希は楽観的だ。


でも、校内の電気は付けないほうがいいかもしれない。
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